引き裂かれた自己

商店街の灯

酔ってなにもかもが美しくみえる フェーズだ。商店街のアーケードの灯りも、街灯の灯りもやわらかく美しい。凍らせたキンミヤ焼酎(20度)のせいだ。

6300円のヒレステーキ(ミディアムレア)

結婚する。たぶん概ね結婚する。親は意外と大人しく口を挟まない。嬉しいことだが不気味で不安だ。いままでずっと、後ろから撃たれてきたから。

今日は母方の親族会だった。ホテルのレストランで6300円する、150gのミディアムレアのヒレステーキのコース…92歳の祖父が食べきれなかったぶんまで食べたのでお腹いっぱいになった。1800円のモヒートも飲んだ。
で、夜からアンダーグラウンドな音楽のイベントにでかけてへべれけだ。
わたしの帰る家への道のりは静かだ。夜風が夏の終わりらしく涼しく甘い匂いがするのが酔っていてもわかる。虫の声。

引き裂かれたわたし

こういうとき、わたしは、自分が引き裂かれていると感じる。6300円のホテルランチ、300円のキンミヤ焼酎、下水はにおうけど楽しい家賃8万円のくすんだ我が家。
6300円のスカしたホテルランチも、わたし。くすんだ家賃8万円2LDKで風呂場のカビを歯ブラシでこするのも、わたし。

レイヤード

世の中には、いろいろな断層がある。自活するようになって、そのことが初めてわかった。特に東京は。いろいろなレイヤーがあって、それは角度を変えなければ、目に見えない。

赤坂をジャケット着て歩くのもわたし。合計800円の刺身の夕食で大喜びするのもわたし。ジャケットの中には、1000円で買ったブラウスを着込んでいる。それがわたし。バラバラのわたし。