また母の話

カフェインを摂ってスピンリングをいじりながら勉強をしている。
なにか新しいことを学ぶなかで、内容が理解できたか・できないか、以前に、まず自分がクリアすべきことが3つある。

①できるかできないかに関わらず毎日向き合う習慣をつけること
②習慣のなかで、自分が学びやすいやり方をみつけること
③それを学ぶことに挫折感を抱かないこと

この3つは、どれかで挫けるとうまく行かなくなる。自分は少なくともそうだ。学ぶことはそもそも継続するのがいちばん難しい。
むかし、勉強は得意だった。小学校ぐらいまでの内容は特に「勉強」というように勉強したりしなかった。
自分は小さな頃から異様なまでに語彙力があった。
小学校ぐらいまでの勉強は、文章の読解をしたり表現をしたりに苦労がないというだけでかなりのアドバンテージで、勉強はクイズみたいなものだったし、やれば褒められるのでやった。
わたしは漢字なんかも三回書けば大抵のことは覚えるタチだった。なので暗記も好きだった。47都道府県の県庁所在地と名産品をすべて完璧に言えたが今やそんなことはとっくに忘れた。
勉強は楽しかった。
だから中学に入ってつまずいて、叱責されたりプレッシャーをかけられるようになってからはできなくなった。
そのうちに周囲も人間らしい語彙力、文章力がついてきて、ちょっとひとより言葉を知ってるぐらいじゃアドバンテージにならなくなってきた。
中学生にもなれば覚えるべき事の量も、47都道府県どころじゃ追いつかなくなってくる。
小学生時代に苦労したりしてうまい具合に「勉強のやり方」を覚えたひとたちにどんどん追いつかれ、追い抜かれて、すっかり自信をなくしてしまった。
そのくせプライドはめちゃくちゃに高いまま今に至る。
100点、90点を毎回取れるよりも、平均点以上を全部の教科で取れる事こそが世の中をわたるにしても必要なスキルだということが、今の今まで実感としてわからなかった。
良い点をとっても、あんまり褒められなかったように思う。それよりも、悪い点を取ったときはけっこうなプレッシャーをかけられた。
それと、母が言った言葉で覚えているのは、「あなたは運動はダメなんだから、勉強だけはちゃんと頑張りなさい」みたいな内容のことだ。
なんでこんなにいくつもいくつも、むかしに、母親に言われたことを、頭の隅からほじくり返して思い出してしまうんだろうな。
やってもできないから、やりたくなくなるし、どんどん勉強のやり方がわからなくなるし、そのうちに机に向かえなくなった。
自分はだめだと思うと学校も辛くなっていた。

いつからか、朝6時起きで学校に通うのが辛かったこともあって、授業中に寝てしまうようになった。
そして、さいきんわかったことだが、講義の内容が理解できないシチュエーションでも気絶するように寝てしまう。
だからわからないところが余計にわからなくなる。
そしてまたやりたくなくなる。
寝てしまう自分が本当に嫌になって、それから、どうせやってもだめだし、失敗するのが怖い、と思うともうだめだ。

いまやっている勉強でも、話が難しくなってくると寝てしまう。
なるべく睡眠を8時間以上とって、カフェインを入れ、スピンリングをいじくっていると、とりあえず寝ないでいることはできる(割と)。
家での復習はなかなか進まないけど、とにかく机に向かう習慣もつきはじめた。

勉強で一番大事なのは、それを続けられる力だと思う。
そんなことはずっと言われてきたはずだのに、わたしは怠け者で勉強をしなくて成績がわるくてダメなやつだ、といつも母から言われていたなあ。
さいきん、むかしの成績表をみたら、ぱっとみてそんなに悲惨な成績でもなかった。
あの頃のわたしは自分はどん底にいると思っていた。子供は世界が狭いから、思い込んでしまうものだ。
大人になれてよかったと思うのは、母から離れて、自分が良いと思うやり方を自分の判断で試してみても誰からも批判されないことだ。

頭の回路にアースを

やっぱり昔のことを思い返すと本題から離れて長くなってしまう。
スピンリングをいじくる、だとか、飴を舐めるだとか、ラジオをかけるとか、そういうことが自分の勉強には必要だということが書きたかったのに。
この間IQを測ったら、言語IQというのが高くて、動作IQというのが平均値ぐらいで、前者と数値では30ぐらいギャップのあることがわたしの人生の苦しみの根源らしい。
頭の回転が半端に高いせいで、セルフイメージに身体が追いつかないから苦しいみたいなことだ。
(半端に高いIQがいつでもいつも邪魔になって、革命ばかりを夢見るばかりで何もできない…って歌詞がいちばんイメージに近い)
このIQのパラメータ分布にギャップが少ないひとほど、IQの高さとかではなく社会的にうまく渡っていきやすいらしい。身の丈みたいなことだ。
なので数値にして30のIQは余ってしまう。
余ったIQが余計なことを考えて、貧乏ゆすりになったり気が散ったり不安になったりスパークしてわたしを気絶寝させたりするのではないかと思う。
その思考回路をスピンリングをいじることに逃がす。飴を舐めて逃がす。ラジオをつけて逃がす。
半分くらいの力で動かさす。
わたしの手が、身体が追いつくやり方で勉強をする。
脳みそ7割ぐらいに抑える方法をこれからも探していく。