2017-01-01から1年間の記事一覧
家から駅までは、歩いて30分ほどだ。バス停も近いが、朝は大概歩いて駅に向かう。北から南に顔を向けて、日を浴びながら歩いてゆくのは気持ちがいい。甘いカフェオレを飲みながら人の庭の植木や景色を見ながら歩くことは、生活と仕事、用事の間に、一拍分の…
時々、目を閉じると恐ろしいものがみえてしまうときがある。眠りたくて眠りたくて仕方がないのに、目蓋を閉じると、顔がぐちゃぐちゃに捻じ曲がった女のひとや、グロテスクな何かや、死体、そういう目を背けたくなるような何かがみえてしまうときがある。起…
一昨年の年末はtofubeatsのアルバム「POSITIVE」をよく聴いていた。 POSITIVE tofubeats J-Pop ¥1600 「いまここに存在していないものへの根拠のない期待をしなければ、キツいいま現在をやってゆけない」「ちょっと気晴らしして誤魔化して発散してどうにかや…
冬はボディクリームが欠かせない。アトピーだったわたしは今も肌が乾燥しがちで、荒れやすい。小さい頃は、風呂上がりに母が必ずカモミールの絵が描いてあるクリームを塗ってくれた。母はわたしに色々な物を「体にいいから」と塗ったり食べさせたりした。母…
インフルエンザで高熱を出し、誕生日を寝てすごした。 わざわざ実家から葬儀用のペナペナの薄くて硬い鞄と数珠を持って帰ってきたのに祖母の通夜も葬式も出られなかった。 結婚式も葬式も、女が儀礼的に持つ鞄はどうしてみんなペナペナに薄かったり小さかっ…
頭がいたい。 一昨日、祖母が危篤になり、家族と合流して顔を見に行ったあたりから、すこし調子が悪かった。 翌日、頭がいたいと思いながら仕事をして、1時間半かけて実家に帰り、頭がいたいと思いながら焼肉を食べて、頭がいたいと思いながら風呂に入り、お…
昼寝をして醒めたら、祖母が危篤だと連絡が入っていた。祖母は92歳だ。14年ほど前からアルツハイマーで、ここ2年は言葉も表情もほぼない。骨と内臓、ハード面がかなり丈夫だったので長生きしたらしい。わたしには祖母が祖母でなくなってからの思い出の方が多…
今日は、Amazon fireTVで「男はつらいよ」を観てみた。お父さんはしょっちゅう家で「男はつらいよ」を観ていて、観たいテレビが観られないことが多かった。だから寅さんのことは好きじゃなかった。テレビ観たいんだけど、と、「寅さん」を咎めると、お父さん…
自分が少しずつ新しくなっていることがわかった一日だった。朝起きて、洗濯を回しながら、同居人のセーターとパーカーのほつれを修理した。母が見たら、雑だとか、こんな風にやったらすぐまたほつれてしまうとか、ぐちゃぐちゃだとか言うだろうなあ、と、思…
胃の中に真っ黒に焼けて煤けたものが詰まっていて吐き出せないような、そんな気分になった日だった。 久しぶりに隣の席の年長女性との噛み合わなさが炸裂した。もう帰ろうか、という時だった。噛み合わなさが炸裂するときのパターンは、だいたいいつも同じだ…
仕事初めだった。くたくたになってしまった。 年末年始の休みで久々に自分を取り戻してみると、やっぱり自分はこの仕事に心底興味も愛情もないということを改めて感じた。同居人と一緒に暮らす部屋では、自分はどんな細かなことでも覚えているし、比較的すぐ…
新年早々、我が身は因果だと思った一日だった。交際相手の部屋に引っ越すに当たって、部屋のキャパを超えた書籍などの荷物を一旦実家に預けることにした。ついでに、細々とした荷物も車に積んで新居に移すのを手伝ってもらい、両親が新居に少し来ることにな…